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京都大正門と時計台

 配偶者が脳卒中や心不全、心筋梗塞(こうそく)を発症すると、パートナーが認知症を発症するリスクが約3割上がると、京都大などの研究チームが米医学誌に発表した。全国健康保険協会(協会けんぽ)の約9万人分の診療報酬明細書(レセプト)のデータを分析した。

 脳卒中や心不全、心筋梗塞は頻度が高い重篤な病気の代表格。発症した本人が認知症になりやすいことは知られているが、家族の認知症リスクに影響を与えるかはよくわかっていなかった。

 研究チームは、協会けんぽのレセプトのデータから、いずれも65歳以上で、2016~21年度に配偶者(被扶養者)が脳卒中や心不全、心筋梗塞を発症した世帯主と、配偶者が発症しておらず年齢や性別、所得水準が同じような世帯主の計9万3396人(男性96%)を抽出。最大6年間追跡して、世帯主が認知症になったかを調べた。

 その結果、全体で559人が認知症と診断され、配偶者が脳卒中や心不全、心筋梗塞を発症した人の認知症リスクは、配偶者が発症していない人の1.32倍となった。年齢や基礎疾患の有無などによらず、同じような傾向だった。

 脳卒中や心不全、心筋梗塞は…

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