連載 混迷を歩く アメリカ大統領選2024:続・黒人編①

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混迷を歩く 続・黒人編

 米大統領選の民主党候補がハリス副大統領(59)になってから、共和党のトランプ前大統領(78)の勝利が確実視されていた南部ジョージア州は激戦州になった。勝敗のカギは州人口の3割強を占める黒人有権者の動向だ。前回はバイデン大統領が競り勝つ原動力になったが、近年はトランプ氏に共鳴する人も少なくない。黒人女性のハリス氏は黒人票を取り込めるのか。

  • 【黒人編の初回はこちら】「生まれつき」民主党支持の黒人有権者 トランプ氏に投票決めた理由

 「黒人女性の間に広がる興奮を実感している。私たちには歴史的に『ふさわしくない』とされてきた政治の最高位に就こうとしているから」

 州都アトランタ近郊クレイトン郡の民主党青年部長で、法科大学院への進学をめざすマヤ・デービスさん(25)はこう語る。

聡明さに反感? 笑い方も「個性的でかっこいい」

 歴代の大統領は白人の中年男性が大半だ。それだけに、ハリス氏が黒人女性で初の副大統領になった時は興奮した。

 トランプ氏の支持者と話すと、彼らがハリス氏に反感を抱くのは、カリフォルニア州で検事や司法長官も務め、聡明(そうめい)だからこそだと感じる。変だとたたかれたハリス氏の笑い方も親近感がわくし、「個性があってかっこいい」と思う。

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ハリス氏支持者で、地域の民主党青年部長を務めるマヤ・デービスさん=2024年9月20日午後0時23分、ジョージア州ジョーンズボロ、下司佳代子撮影

 ジョージア州は、黒人が白人と対等の権利を求める「公民権運動」を率いたキング牧師の出身地としても知られる。その地で、ハリス氏の登場は民主党の勢いを復活させた。

集会に300人、立て看板も「近所全員が欲しがっている」

 ニューヨーク・タイムズ紙と…

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