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スイーツ部門でグランプリになった「ダイヤモンブラン」(茨城県小美玉市)=県提供
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 茨城を代表するご当地グルメを決める「シン・いばらきメシ総選挙2024」が12~14日に水戸市で開かれた。グランプリに選ばれたのは、一般料理部門で「シン・茨城あげそば」(茨城県五霞町)、スイーツ部門で「ダイヤモンブラン」(小美玉市)だった。

 総選挙は、県内の全市町村がアイデアを出して競い合い、新しいご当地グルメを決めようとする初の試み。日本一の生産量を誇る食材はあるが、知名度の高いご当地グルメがないのが課題だとして、「ないならつくってしまおう」と県が企画した。

 一般料理部門に41市町村から、スイーツ部門には39市町村から出品があった。県産の食材を使い、まったく新しいグルメを生み出すか、既存のご当地グルメに新しい工夫を加えるかが条件だった。

 14日までの3日間、水戸市の県三の丸庁舎前であり、県によると総来場者数は約6万4千人。長蛇の列を作り、完売する店も続出した。

 14日には、アイドルグループ乃木坂46元メンバーの秋元真夏さんがトークイベントに登壇。「普段食べている食材の多くが茨城県で作られていると知り、いっぱい私の体をつくってもらっているなと思いました」と話し、ファンらを盛り上げた。

 グランプリは、事前投票や会場での投票で選ばれた各部門上位10市町村のファイナリストの中から、審査員が決めた。

 「シン・茨城あげそば」は、常陸秋そばを揚げて、あんかけで県産野菜をトッピング。一般料理部門の審査委員長を務めた学校法人中川学園理事の中川一恵さんは、「香辛料を加えながら、味の違いを楽しむことができた」と講評した。

 「ダイヤモンブラン」は、筑波山に沈む夕日をイメージして、サツマイモのアイスに、クリームやマカロンをのせた一品だ。スイーツ部門の審査委員長の大山栄蔵さんは「マカロンも含めて一つ一つのクオリティーが高く、素材の味を生かしている」と評価した。

 グランプリに選ばれた自治体は、試行錯誤を繰り返して独創的な料理を生み出しただけに、喜びもひとしお。五霞町の知久清志町長は「県内で一番小さな町から、茨城の頂点を目指そうと、町一丸となって頑張ってきた結果だ」。小美玉市の島田幸三市長は「市内で見ることができるダイヤモンド筑波は絶景。(これを模した)スイーツからも小美玉の魅力発信をしていきたい」。いずれも商品化を検討しているという。

 大井川和彦知事は「みんなで力を合わせれば、こんなに素晴らしい料理を作ることができるんだという、茨城の底力を証明できたと思う」。民間の調査会社が発表する都道府県魅力度ランキングでは例年、最下位を争う茨城。「食の世界で新しい潮流を作ることで、外から見える茨城がどんどん変わっていくのではないかと期待する」と話した。(富永鈴香)

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