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パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスで2024年10月16日、慈善団体から食べ物を受け取るために集まった子どもたち=ロイター
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 パレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルに対し、深刻化するガザの人道状況の改善に向けた国際的な圧力が高まっている。イスラエルのネタニヤフ首相は対応の検討に入ったと報じられており、実効性のある措置がとられるかが焦点となっている。

 ロイター通信は16日、ネタニヤフ氏は緊急会議を招集して人道支援拡大について協議したと報じた。米バイデン政権が、ガザの人道状況を改善しなければ、イスラエルへの軍事支援を見直す可能性があると警告していた。ガザへの人道支援は近く拡大される見通しで、20日に予定されるイスラエルの安全保障関連閣議でも、この問題が協議されるという。

 ガザの状況は深刻度を増している。

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリーニ事務局長は16日、ベルリンであった記者会見で「(ガザの人々が)飢饉(ききん)や深刻な栄養失調に陥る可能性が再び高まっている」と警告した。AFP通信が報じた。

 ガザの人道状況をめぐり、国連安全保障理事会は16日、英仏などの要請を受けて緊急会合を開催。人道問題担当のムスヤ国連事務次長代行は、イスラエル軍が攻撃を強めるガザ北部には今月2日から15日まで食料が一切入らなかったと報告した。米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は「イスラエルにははっきりと伝えてある」と支援の拡大を念押しした。

 物資が行き届かない状況に各国からイスラエルへの批判が相次ぐなか、イスラエルのダノン国連大使は「ガザの問題はイスラエルの努力や人道支援の失敗のせいではない」と強調。イスラム組織ハマスによる物資の強奪が原因だと反論した。

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