知床半島沖での観光船沈没事故で、釧路地検は9日、運航会社社長の桂田精一容疑者(61)を業務上過失致死罪で起訴した。焦点となったのは「天候」だった。
起訴内容は、桂田社長には船長へ出航や航行継続の中止を指示して危険を防ぐ注意義務があったにもかかわらず怠り、船を沈没させて26人を死亡させたというもの。
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当時、斜里町には強風注意報と波浪注意報が出されていた。同社が定めた運航基準を超える、風速15メートルと波高2メートルが予想され、午後には波がさらに高まるとされていた。
海水は約3度。風と波で船が激しく揺れ、乗客・乗員が転倒して冷たい海に落下したり、操船が困難になって岩にぶつかって転覆・沈没したりして死傷者が出ることは、桂田社長の立場でも予見できたと判断した。
起訴を受け、桂田社長と乗客家族弁護団の双方がコメントを公表しました。記事の後半で全文を紹介します。
捜査関係者によると、捜査に…