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会場にはゴルバチョフ氏の遺影も映し出された=2024年10月5日午後3時48分、広島市中区、副島英樹撮影
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 米ソ冷戦期に初の核軍縮を実現し、冷戦終結へと導いたゴルバチョフ元ソ連大統領の遺訓に基づく第2回「人間の安全保障フォーラム」が5日、広島市中区の平和記念資料館で開かれた。作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏が講演し、平岡敬・元広島市長と対談した。

 佐藤氏は講演の冒頭で、「キューバ危機以降、おそらく核戦争の危機が一番近づいている」と述べた。緊迫する中東情勢を解説し、核兵器を持つことで相手の攻撃を思いとどまらせる「核抑止」について、「お互いの額に拳銃を当て、引き金に指をかけている状態」と説明。その核抑止という「神話」により、核保有国が当事者となる大規模戦争は起きないとされてきた、と説明した。

 だが現実には、ウクライナに侵攻したロシアのように、核保有国であっても地上戦などを展開している。佐藤氏は「拳銃を突きつけながら、もう片方の手にナイフを握り、相手を刺し合う想定外の事態が始まった」と述べ、核抑止は殉教精神や「歴史に名を残す」という動機の前には、効果がないとも指摘した。事実上の核保有国であるイスラエルが敵対国から追い詰められ、核兵器を使う可能性にも言及した。

 ただ、佐藤氏が最も強調したのは、佐藤氏が説明したような「国家の論理」と「民衆の論理」は違う、という点だ。

 市民の平和運動は、国民や政…

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