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期間限定のヘッドマークを付けた神戸電鉄の車両が一同に並ぶ珍しい光景を、鉄道ファンらが写真に収めた=2024年10月6日午前、神戸市西区の神戸電鉄・見津車庫、岡田健撮影
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 神戸電鉄(神戸市兵庫区)が乗客らに日頃の感謝を伝えるイベント「神鉄トレインフェスティバル」が6日、同市北区の鈴蘭台車庫などであった。利用客減に苦しむ粟生(あお)線への乗車を呼びかけるブースが出展されるなどし、約3800人が来場した。

 粟生線の志染(しじみ)駅が最寄りの兵庫県立三木東高校の3年生は、三木市や粟生線をPRするブースを出した。電車の写真に「乗ってのこそう未来の粟生線」という文字をあしらうなどした缶バッジを作って、来場客らに配った。生徒らは地域課題の解決などについて学んでいる。馬越かんなさんは「生徒の多くが登下校に使っている粟生線への恩返しです」と話した。

 電鉄や周辺自治体、国などで構成される粟生線活性化協議会も会場で缶バッジ作りを体験できるイベントを実施した。子どもらが参加した神戸市須磨区の公務員男性(35)は通勤に粟生線を使うことがあるという。「車窓ののどかな景色に癒やされる。もしなくなったら寂しい」

 粟生線は、鈴蘭台(神戸市北区)と粟生(小野市)の両駅を結ぶ29.2キロの路線。ピークだった1992年度は約1840万人あった利用者が、昨年度には691万人にまで減った。神戸電鉄によると、沿線住民の高齢化による通勤客減少や道路網の整備が背景にあるという。

 フェスティバルではほかに、車庫での車両の撮影会や、車両に乗ったまま洗車機を通り抜ける体験など、普段はできない経験を提供するプログラムが催された。(岡田健)

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