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川崎市の「暮らしの保健室」で化粧外来を担当している河村しおりさん=2024年7月24日午前9時57分、神奈川県川崎市、三宅梨紗子撮影
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 川崎市に住む河村しおりさん(46)は、東京で会社員をしていた24歳のとき、自己免疫疾患の指定難病「全身性エリテマトーデス」と診断された。

 19歳ごろ、顔に紅斑とよばれる赤い発疹が出たことで病院を受診した。

 徐々に症状は悪化し、地元の札幌市に戻り、一時は寝たきりになった。ステロイド治療で髪が抜け、顔は丸く腫れた。外出を避け、20代は闘病生活で終わった。

 2011年、テレビでは、東日本大震災で被災した東北の映像が流れていた。被害の大きさに衝撃を受けた。「私はこのままでいいのだろうか」と自身を省みるようになった。

 そんなとき、友人から誘いを受け、理美容室に化粧品などを販売する仕事を手伝い始めた。

 「病気になったお客さんにどう声をかけたらいいか」「皮膚疾患があるけどパーマをかけたいと言われたが判断に迷った」。病気を抱える人への対応の仕方に悩む美容師らの声を多く聞いた。

心にもポジティブな変化もたらす力

 自分だったらどう接してほし…

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