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レバノンの首都ベイルートで2024年10月2日、イスラエル軍の攻撃が続くなかで避難した人のための施設で休む家族=ロイター

 イスラエル軍が隣国レバノンでイスラム教シーア派組織ヒズボラを標的とする攻撃を続けるなか、家を追われた避難民の数が人口の2割を超えた。現地で何が起きているのか。住民らが朝日新聞の電話取材に語った。

 ロイター通信によると、レバノンのミカティ暫定首相は2日、人口530万人の同国で、全土での避難民が約120万人にのぼると明らかにし、「これ以上、血も破壊も必要ない。即時停戦が必要だ」と述べた。

 イスラエルが、激しい空爆に続いて地上侵攻に踏み切ったレバノン南部は、貧しいシーア派住民が多い。ヒズボラはこの地域で社会福祉や教育などの活動を通じて強固な支持基盤を築いてきたが、多くの住民が北部への避難を強いられた。

 首都ベイルートに逃れてきた小学校校長のムハンマド・アスカルさん(55)は、「殺戮(さつりく)の光景を目にするたびにうんざりした気持ちになる。戦争は望んでいないが、ヒズボラがイランや(イランの支援を受ける中東の武装組織のネットワーク)『抵抗の枢軸』と協力して、イスラエルの侵攻に対抗できると信じている」と語った。

「破壊を招いたのはヒズボラだ」

 一方で、同じく南部からベイ…

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