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2024年9月1日、ドイツの連邦議会議事堂に掲げられたドイツの国旗の前で写真撮影する人々=AP

 ドイツの検察当局は1日、中国の情報機関のためにスパイ活動をした疑いで、ドイツにある物流サービス会社で働く中国人の女を逮捕したと発表した。4月に逮捕された、右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の議員事務所で働いていた中国の情報機関職員に、防衛装備品の輸送や独防衛企業の関係者の動向などに関する情報を流していた疑いがある。

 発表によると、女は独東部ライプチヒ近郊の空港などで物流サービスを提供する企業で働いていた。2023年8月中旬から24年2月中旬にかけ、中国の情報機関職員に貨物便や乗客らの情報を提供していた疑いが持たれている。捜査当局は9月30日、女をライプチヒで逮捕した。

 この情報機関職員はAfDに所属するクラー欧州議会議員の事務所で働いており、欧州議会などの情報を中国側に流していた疑いで4月に逮捕された。クラー議員は5月にナチス親衛隊(SS)を擁護する発言などをして批判を浴び、現在は欧州議会のAfDが入る会派に所属せず、無所属で活動している。(ワルシャワ=寺西和男)

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