犯罪や死因の究明に欠かせない「法医学」を広く知ってもらうための講演会が27日夜、札幌市内であった。前日に無罪判決が出た袴田巌さんの再審公判で、弁護側の証人を務めた旭川医大の清水恵子教授が登壇。「科学的な説明を丁寧に伝えた」と振り返った。
袴田さんの事件の公判では、1年以上みそ漬けになった後に見つかった「5点の衣類」が有罪の有力な証拠とされた。衣類には赤みのある血痕が残り、犯行時の着衣とされた。
この「赤み」の不自然さを立証したのが清水教授だった。弁護側の依頼を受け、同大の奥田勝博助教らと実験をした。みその性質により血液のヘモグロビンは変化し、短期間で黒褐色になり、赤みは残らないことを示した。この鑑定が柱となって再審が始まり、無罪判決につながった。
再審で検察側は「赤みが残る…