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「呑み鉄鈍行ちどり足号」車内で、車窓の景色を眺めながら利き酒を楽しむ乗客ら=広島県
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 JR芸備線で28日、三次駅(広島県三次市)と備後落合駅(同県庄原市)を往復する貸し切り列車「呑(の)み鉄鈍行ちどり足号」が運行され、約70人の乗客が沿線の景色を眺めながら地酒やワインの利き酒を楽しんだ。

 一部区間の廃線が議論されている芸備線を盛り上げようと、地元住民や鉄道ファンらでつくる「芸備線魅力創造プロジェクト」(横川修代表)が昨年に続いて企画した。

 午前11時前に三次駅を出発した2両編成の車内では、沿線の庄原市と同県安芸高田市の四つの銘柄の地酒や三次産のワインなどが乗客に振る舞われた。

 約1時間で到着した無人駅の備後落合駅では、蒸気機関車用の転車台などが残る構内について、元国鉄職員で駅のボランティアガイドを務める永橋則夫さん(81)からの説明もあった。

 庄原市内に住む高校時代の友人と参加した東京都町田市の高橋とも子さん(64)は「景色もお酒もすばらしい。年1回といわず、四季ごとに運行しても、乗ってみたい人は大勢いると思う」と話した。

 庄原市の地酒「菊文明」の醸造元「北村醸造場」の北村峻一さん(32)は「地元以外では手に入りにくい酒なので、飲んでいただけるいい機会になった」と話した。(矢代正晶)

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