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「はだしのゲン」を講談で伝える講談師の神田香織さん=BS12提供

 学校図書館でこの本を開き、そっと本棚に戻した人も多いかもしれない。番組をきっかけに、もう一度手に取ってみてはどうだろう。「『はだしのゲン』の熱伝導」(BS12、28日夜9時)が放送される。

 中沢啓治による言わずとしれた原爆漫画の金字塔だが、学校図書館で閲覧制限が一時かけられたり、広島市の平和教材から外されたりと、逆風も吹く。番組では、講談で「はだしのゲン」を語り続けている神田香織や英語版を制作した人たちなどに取材。被爆者が作品に重ねる思いも聞く。ナレーションは、長野県上田市の戦没画学生慰霊美術館「無言館」の共同館主もつとめる文筆家の内田也哉子。

 高橋良美プロデューサーは、「なんでこんな目に合わなくてはいけないのか、というゲンの怒りを引き継いでいる人がこんなにいたんだ、と感じた」という。「私たちはもっと怒っていいという視点で叫び続けることの大事さ、その熱が伝わってほしい」

 制作は、演出・構成を担当し…

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