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メタバース婚活のイメージ(提供:パーソルマーケティング@GAIA TOWN)

 ネット上の仮想空間「メタバース」で、自分の分身である「アバター」が交際相手を探す。静岡県袋井市が、そんな婚活イベントを開く。「顔出し」はなく、ニックネームで呼び合う。恥ずかしがり屋でも参加しやすく、容姿より人柄に触れてもらう機会だとしている。

 「メタバース婚活inふくろい」は11月9日。市内に住むか市内で働く人、袋井への移住を検討している人を対象に、20~40歳くらいの独身男女各10人の参加を募る。

 自身の髪形や顔のパーツ、服装などをもとにつくるアバターに仮想空間のイベント会場に集まってもらう。一対一で順に会話していく場や自己PRコーナーを設けて、気になる相手を探してもらってマッチングする。

 専門の業者が担うネット空間での会場設営や、「デジタル仲人」によるイベント進行、マッチングの手伝いなどの費用は市が出すものの、参加費は1人3千円。一定の負担を求めるとともに、「冷やかし」ではない参加者を募る狙いもある。

 カップルが成立したらアバターどうしのデートの場を用意し、現実世界での交際へといざなうという。

 マッチングアプリなどをきっかけに出会って結婚するカップルは珍しくないが、「市が関与することで、より安全で信頼できる場の提供につながる」(大場規之市長)としている。市によると2023年の婚姻の届け出は364組。15年ほど前には500組を超えていたという。(青田秀樹)

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