学校での授業中や会社での仕事中、つい眠ってしまうのは、怠けているからでも集中力が足りないからでもなく(それもあるかもしれないが)、部屋の二酸化炭素が濃すぎるのが主因かもしれない。そんなことをうかがわせる研究結果を東北大などのグループがまとめ、論文発表した。
学習や作業の効率化、また眠気による事故を防ぐためにも、換気が大切なことを改めて示す結果となった。
厳密な証明、これまでになく
換気の悪い場所で眠くなりやすいのは二酸化炭素のせいではないか。そんな指摘は、以前からあった。
だが、二酸化炭素濃度による眠気の度合いを客観的に測ることが難しく、厳密には証明されてこなかったという。たとえば、もともと睡眠不足の人とそうでない人とが混在していたとしたら、同じ濃度でも眠気の度合いは違ってしまう。
東北大グループは今回、睡眠障害のない平均24歳の男性11人に協力してもらった。
カフェインや飲酒、事前に制限を設定
ふだんの睡眠不足などが影響しないよう、参加者には事前に「カフェイン摂取は1日400ミリグラムまで」「飲酒は過去1カ月間に5日未満」などの条件を課した。
実験の1週間前からは、睡眠状態などを把握するための活動計を手首につけてもらったうえで、22時から22時半にかけて就寝し、7時から7時半にかけて起床してもらうようにして、実際に7時間以上眠っていたことを確かめた。
実験は、プラスチック製のテントを暗幕で覆った「チャンバー」という狭い個室にベッドを置き、日中に計4回、参加者に昼寝をしてもらう形で実施した。「睡眠潜時反復検査」という、睡眠障害の診断で昼間の眠気を客観的に測る手法だ。
部屋の中の二酸化炭素濃度を…