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真田広之さん主演の「SHOGUN 将軍」はディズニープラスの「スター」で独占配信中 Courtesy of FX Networks

 米テレビ界の最優秀作を選ぶ第76回エミー賞の授賞式が15日(日本時間16日)、米ロサンゼルスで開かれた。真田広之さんプロデュース・主演のテレビドラマ「SHOGUN 将軍」が作品賞を受賞したほか、真田さんが主演男優賞、アンナ・サワイさんが主演女優賞を受賞した。主要部門で日本人俳優が受賞するのは初めて。22部門で25のノミネートを受けており、今回の候補作の中で最多だった。このほか、監督賞も受賞した。

 真田さんは主演男優賞の受賞後、ステージに上がり、「チームの全ての人々に感謝したい。これは東洋と西洋が出会った夢のプロジェクトだった。『SHOGUN』は、人々が力を合わせれば、奇跡を起こせるということを教えてくれた」と英語であいさつ。作品賞受賞後には、日本語で「これまで時代劇を継承して、支えてきてくださった諸先生方に心より御礼を申し上げます。あなた方から受け継いだ情熱と夢は、海を渡り、国境を越えました」と話した。

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 助演男優賞の候補に選ばれていた浅野忠信さんと平岳大さんは受賞を逃した。

 「SHOGUN」は、真田さんが演じる徳川家康をモデルにした武将の吉井虎永や、その家臣となった英国人航海士「按針(あんじん)」らが繰り広げる戦国ドラマ。関ケ原の戦い前の戦国時代が舞台となっている。ジェームズ・クラベルさんの1975年の小説が原作で、80年に米国でテレビドラマ化され、81年のエミー賞の作品賞(リミテッド・シリーズ部門)を受賞していた。

 15日の主要部門の授賞式に先立ち発表されたクリエーティブ関連の部門では、編集賞や撮影賞、視覚効果賞など14部門で受賞していた。

 真田さんは授賞式前の米メディアの取材に、作品の成功について問われ「これは私にとって多くの意味がある。この作品を作るために多くの時間を費やしてきた。東洋と西洋のチームが合わさり、素晴らしいコラボレーションができた」と言及。シーズン2の日本での撮影についても「もちろん可能性を探っている。すべてではなくおそらく一部になるだろう」と話していた。

 エミー賞では、22年に韓国ドラマ「イカゲーム」がドラマ部門で監督賞や主演男優賞など6部門で受賞しており、今回のSHOGUNの受賞はアジア系の躍進ぶりを改めて示した。(ロサンゼルス=五十嵐大介)

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