2030 SDGsで変える
「利は川下にあり」を経営方針とする伊藤忠商事が、企業ブランド価値向上のために「SDGsへの貢献・取組強化」をうたっています。どうしてなのか。石井敬太社長COO(最高執行責任者)に聞きました。
――SDGsを経営目標に採り入れたのはなぜですか。
伊藤忠には創業の精神である「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)が受け継がれています。10年前に掲げたコーポレートメッセージ「ひとりの商人、無数の使命」でステークホルダー(利害関係者)主義というか、我々の商売が周囲と一緒に成り立つことを改めて強調しました。持続可能な成長をめざすSDGsに重なるのです。
海洋ごみや食品ロス減らす取り組み
――具体的にどんな貢献を。
総合商社にはいろいろな事業がありますが、伊藤忠はとくに繊維、食料といった消費者に近い「川下」分野が得意です。持続可能な社会への貢献も川下の視点を大切にしています。例えば、使用済みの漁網などから再生ナイロンを作れるイタリア企業に出資し、海洋ごみ問題に取り組んでいます。ただし再生ナイロンは値段が高いので、高価なナイロン製品を扱う有名ファッションブランドとの取引を仲介し、事業として成り立たせました。
――商社のネットワークを生かしていますね。
学生服が不要になった人たち…