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そっくりな各社のトラック。メーカーは左上から時計回りにいすゞ、日産自動車、マツダ、UDトラックス
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 日産自動車、マツダ、UDトラックスの各自動車メーカーのトラックが、いすゞのトラック「エルフ」にそっくりだ。どうしてこうなったのか。識者に聞くと、商用車業界ならではの事情が見えてきた。

 エルフは1959年にいすゞが発売した小型トラックで、「どこまでもどこまでも走れ走れいすゞのトラック」のCMでもおなじみ。累計生産台数は約700万台で、日本では同型のトラックで最も売れている。

 現在小型トラックは、日産が「アトラス」、マツダが「タイタン」、UDが「カゼット」を販売するが、どれも、フロントグリルやマークで多少の違いはあるものの、基本は前面がエルフに似ている。

 理由は、他社で開発・製造したものに自社のマークをつけて販売するOEMという仕組みを使っているためで、あえて似せてつくっているわけではない。自動車業界では、OEMはよくあるが、資本関係が無い社も含めて3社に供給されるのはエルフと、スズキの「エブリイ」シリーズや「キャリイ」のみで、珍しい。

柔軟に連携する背景には何があるのでしょうか。後半ではOEMのメリットや、競争が激しい業界で手を組んだり離れたりしてきた各社の経緯を取り上げます。

 なぜ自社で開発せずに他社の…

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