写真・図版
東京電力が公開した燃料デブリを試験的に取り出す作業に使う専用の釣りざお式装置。燃料デブリを模した石をアームで持ち上げた=2024年5月28日午後、神戸市兵庫区、田辺拓也撮影

 東京電力は19日、福島第一原発2号機の溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の試験的な取り出しについて、22日から約2週間かけて行うと発表した。非常に強い放射線を出す燃料デブリの取り出しは廃炉の「最難関」の作業とされ、今回が原発事故後初めての試みとなる。

 福島第一原発の1~3号機には推計880トンの燃料デブリがあるとされるが、事故から約13年半となる現在もまだ取り出せていない。作業員の大量の被曝(ひばく)を避けるため、今回取り出す予定の燃料デブリは最大3グラムという。

 政府と東電は当初、国費も投入して開発したロボットアームで2021年に取り出しを始める計画だったが、アームの開発の遅れなどで3回延期。今回は、過去の調査で活用したことのある簡易な「釣りざお式装置」で取り出しを試みる。(福地慶太郎)

共有