海藻に含まれる成分を活用してアンチエイジング(抗老化)が期待できる化粧品や健康食品などを作る研究に、高知大発のベンチャー企業が挑んでいる。
中心になっているのは、農林海洋科学部の難波卓司准教授(42)。「サステイナブル(持続可能)な素材を使い健康と地球環境の両方に優しい社会をつくりたい」と話す。
アンチエイジング製品の需要は、平均寿命の伸びや世界的な所得水準の高まりで拡大の一途をたどっている。市場調査販売会社・グローバルインフォメーションによると、市場規模は毎年平均6%のペースで伸び、2026年には9兆円超になるとされる。
化粧品に使う素材は、動物由来のものから天然素材への切り替えが進んでいる。ただ、薬用植物の国内自給率は1割ほどだ。「世界での需要が高まれば国内メーカーが入手することが困難になる」と難波准教授は懸念する。
そこで目を付けたのが四国などの汽水域で生息する海藻「ミナミアオノリ」だった。
難波准教授は、ミナミアオノ…