赤ちゃんの泣き声を人工知能(AI)で解析し、「気持ち」を可視化するアプリの開発が進んでいる。
中心になっているのは現役の医学部生。泣き声をストレスに感じる親らの悩みを和らげるのが目標で、実用化に向けて最終調整を進めている。
整形外科医を目指していた徳島大学医学部6年、中井洸我(こうが)さん(24)が赤ちゃんの泣き声に関心を持ったのは3年前。産後うつに悩むママたちの話を聞いたことがきっかけだ。
最初は「かわいい」と思っていた泣き声が、毎日聞いているとつらくなる。泣いた理由が分からずに、どうしたらよいか思い悩む。外出先で泣きやまないと周囲の目が気になる。赤ちゃんの泣き声がストレスにもなると知った。
日本人女性10万人を対象とした調査で、産後1カ月の時点で14.3%が産後うつに悩まされていたという論文(https://annals-general-psychiatry.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12991-020-00290-7)も読み、対応の必要性に思いを強くした。
「泣き声へのイライラなくなれば」
保育園でボランティアとして働きながら、523人の保護者から話を聞いた。
「赤ちゃんの泣き声はコミュ…