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海外の捜査機関により封鎖された、DDoS攻撃のサービスサイト

 大量のデータを企業のサーバーに送りつけてウェブサイトを閲覧できなくするサイバー攻撃(DDoS攻撃)をしたとして、警察庁は6日、大分市の配管工の男(25)を電子計算機損壊等業務妨害の疑いで逮捕し、発表した。DDoS攻撃は世界中で被害が頻発。登録して利用料を払い、攻撃先を指定すれば誰でもDDoS攻撃を行える海外の代行サービスサイトがあり、男も利用していたという。

 欧州警察機構(ユーロポール)が主導してこうしたサイトを封鎖する捜査が続いており、日本に関する情報が提供されて今回の逮捕につながったという。

閲覧障害1時間半 ユーロポールから警察庁に情報

 逮捕されたのは赤坂篤洋容疑者。警察庁サイバー特別捜査部によると、2022年3月17日に2回、サービスサイトを通じて東京都の出版社のサーバーに大量にデータを送って負荷をかけ、同社のウェブサイトを計約1時間半にわたり閲覧できない状態にした疑いがある。赤坂容疑者は「一方的にDDoS攻撃をしており、弁解することはない」と容疑を認め、「ほかにもDDoS攻撃をした」と話しているという。

 米連邦捜査局(FBI)や欧州各国の捜査機関が参加した国際共同捜査は18年に始まった。22年12月のユーロポールの発表では、50ほどのサービスサイトを機能停止にし、管理者7人を逮捕した。

 警察庁は昨年9月にこの国際捜査に参加し、日本国内のサービスサイト利用者や攻撃先に関する情報が外国捜査機関から提供され、サイバー特捜部が情報を解析するなどしてきた。

 赤坂容疑者が利用した海外のサービスサイトの利用料は月額数百~1万数千円で、赤坂容疑者は千数百円のプランだったという。国内の複数の人物がこのサイトを使っていた疑いがあり、特捜部は解明を進める。

 サイバー特捜部の前身組織が22年4月に発足以降、単独の捜査による容疑者の摘発は初めてで、国際共同捜査に絡んで国内の容疑者を摘発したのも初めてという。(編集委員・吉田伸八)

日本、前年の14.7倍の攻撃

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