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AIの文字が書かれたイラスト=ロイター

 米IT大手5社の2024年4~6月期決算が1日出そろった。いずれも増収増益だったが、各社とも主戦場の人工知能(AI)分野への投資を急増させており、投資に見合った収益が得られるかに懸念も広がる。投資家からは「AIバブル」の声も聞かれ始めた。

 「我々のシェアの増加はAIによって加速している」。米マイクロソフト(MS)のサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は7月30日の電話会見で、クラウド事業「アジュール」についてそう訴えた。

 対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」を提供する米オープンAIに出資するMSは、クラウドやパソコンなど幅広い製品で生成AIを導入。生成AIがクラウドの売上高を8%幅押し上げたという。

 米グーグルも最新のAIの基盤モデル「Gemini(ジェミニ)」を検索やスマホなどの製品に投入。4~6月期のクラウドの売上高は初めて100億ドル(約1.5兆円)を超えた。AI製品の貢献について「数十億ドルの収入を生んでいる」と訴えた。

 この期の決算は、企業向けのクラウド事業や広告などが堅調で、グーグル、MS、アマゾン、メタの売り上げが前年同期比で2桁の伸びをみせた。主力のiPhoneが減収となった米アップルは、全体の売り上げの伸びが5%にとどまった。

 改めて顕著になったのが、AI分野での投資の急増だ。最新のAIの開発や運営には、高額の画像処理装置(GPU)や巨大なデータセンターが必要となり、各社が投資合戦を繰り広げている。

 4~6月期の各社の設備投資…

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