6月下旬、三重県にある製菓工場をドローンで撮影すると、広大な屋根が白い格子状のシートで覆い尽くされていた。
遮熱シート「ルーフシェード」で、メッシュ素材で風通しがよく、日陰を作り出すことで室温の急上昇を防ぐ。金属製で波形に加工された折板屋根の表面温度は真夏に80度近くになるが、シートを設置することで約25度低減することができるという。
防虫ネットなどを手がける日本ワイドクロス(大阪府柏原市)が15年ほど前に発売した。冷房が利きづらい大規模な工場や倉庫を持つ企業の猛暑対策として売り上げを伸ばしている。新宿駅のバスターミナルやゴミ処理場などにも施工実績がある。
厚生労働省によると、職場での熱中症による死傷者数は、2014年は423人だったのに対し、23年は1106人に増加した。共同開発した施工会社「石川テント」の担当者は「過酷な暑さで従業員が次々にやめてしまうところもある。人手不足にならないためにも、熱中症対策をしたいという企業は増えている」と話す。
遮熱で電気代「年間で数百万円削減」
ライフテック(岐阜県各務原…