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厚生労働省が入る合同庁舎=東京都千代田区

 再生医療製品として国が初めて条件・期限付き承認した医療機器大手テルモの「ハートシート」について、厚生労働省の専門家部会は19日、有効性が示されていないとして「製造販売を承認することは適切でない」と判断した。改めて別の専門家審議会を開き、不承認とするか判断をする。

 ハートシートは、患者自身の太ももから採取した骨格筋芽細胞を培養してシート状にした製品。重い心不全の患者の心臓に貼ることで、治療効果が期待されてきた。大阪大学とテルモが共同開発した。

 2015年に条件・期限付き承認され、当時は患者7人の臨床試験(治験)の結果をもとに安全性を確認し、有効性があると推定された。

 有効性を確かめるため、テルモは市販後に60人の患者で調査をすることになっていたが、症例が不足したため、期限を3年延長したうえで、改めて正式な承認を申請していた。

 19日の専門家部会では、市…

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