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硫化水素が検知された水路があるチヨダウーテ四日市工場周辺。水路には人が近づかないようロープが張られている=2024年6月8日午前10時46分、三重県川越町高松、鈴木裕撮影

 三重県川越町高松の大手石膏(せっこう)ボードメーカー「チヨダウーテ」四日市工場周辺で、有毒な硫化水素が発生しているのを県が検知し、同社に原因究明を指導したことがわかった。同社が過去に敷地内へ埋めた廃石膏ボードが発生源と疑われている。同社は11日、埋設状況を確認するためのボーリング調査を実施すると公表した。

 朝日新聞の情報公開請求で9日に開示された県の監視日報によると、工場に隣接する神社側の水路の開渠(かいきょ)部分で5月20日に最大13.5ppmの硫化水素を検知。聞き取りに対し同社は「昭和53(1978)年以前に、敷地南側の埋め立てに石膏粉を使用したと聞いている」と回答していた。

 硫化水素は嗅覚(きゅうかく)のまひや目の損傷を引き起こすほか、20ppmで気管支炎、肺炎、肺水腫、350ppmで生命の危険があり、700ppmで死亡する恐れがあるとされる。労働安全衛生法の酸素欠乏症等防止規則では、中毒防止のための許容濃度を10ppmと定めている。

 県廃棄物監視・指導課は「濃…

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