出生時の性別は男性で女性として生きるトランスジェンダー(トランス女性)が性別変更を求めた家事審判で、変更を認めた10日の高裁決定の理由の要旨は次の通り。

  • トランス女性の性別変更「手術なし」で認める 高裁、外観要件満たす

 【外観要件の妥当性】

 性同一性障害特例法に性別変更の要件として5号規定(変更する性別の性器に似た外観を備えていることを求めた「外観要件」)が設けられたのは、性器が他人の目に触れうる公衆浴場などで生じる可能性がある混乱を回避するためとされる。

 具体的には、意に反して異性の性器を見せられて羞恥(しゅうち)心や恐怖心、嫌悪感を抱かされることのない利益を保護しようとしたものと考えられ、外観要件の目的には正当性がある。

 【外観要件が具体的に求めているもの】

 外観要件は、4号規定(卵巣…

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