NTTドコモの社長に6月に就いた前田義晃氏(54)が朝日新聞のインタビューに応じ、銀行業への参入について、金融機関との連携などを念頭に「相手がいれば今年度内も視野に入れたい」と意欲を見せた。金融事業を強化し、ポイント経済圏の拡大や顧客の囲い込みにつなげる狙いだ。
2021年に実施された携帯料金の引き下げや人口減少などで通信事業のもうけが頭打ちとなるなか、携帯各社は金融など非通信分野に活路を見いだしている。
ドコモも昨秋以降、ネット証券大手のマネックス証券や、オリックス傘下のオリックス・クレジットを相次いで子会社化した。ただ、携帯大手の中で唯一グループの中に銀行を持っていない。
前田氏は、マネックス証券のサイトで株などを購入してもらう際に自社のサービス外にある銀行口座を用いると「一手間かかる」と説明。「ドコモの金融系サービスをお客様に利便性よく使っていただく意味でも銀行口座の機能は必要だ」と強調した。
銀行業への参入について金融機関との連携やM&Aの可能性に触れつつ、「お相手が見つかるかにもよる」「いろんなことを検討している」とも語った。
前田氏はリクルートから転職し、2000年にドコモ入社。非通信分野での経験が長い。(黒田健朗)
NTTドコモの社長に6月に就いた前田義晃氏(54)が朝日新聞のインタビューに応じた。主なやりとりは次の通り。
――携帯各社とも非通信領域、金融事業の重要性が増している。
「私どもは金融事業の中でも…