欧米系のアートフェアやギャラリーが近年、次々に首都圏に展開してきている。日本のアート市場の魅力は何なのか。彼らの狙いはどこにあるのか。関係者に聞いた。(編集委員・大西若人、田中ゑれ奈、神宮桃子)
横浜でアートフェア、日本は「行ってみたい」場所
昨年7月、横浜市で現代美術のアートフェア「Tokyo Gendai」が初めて開かれた。英国出身者らが創設したジ・アート・アセンブリーが主催。世界最大規模のフェア「アートバーゼル」に出るような、欧米の有力ギャラリーも参加した。来月に第2回を開く予定で、毎年開催にしていくという。共同創設者のマグナス・レンフリューさんは「日本のアート市場の可能性は大きい」と期待する。
初回の昨年は、国内外の73ギャラリーが参加。「ギャラリーからは、良いコレクターとの関係構築ができ、安定した販売を達成できたと評価をもらった。来場者からも前向きな評価を得て、第一歩としては良かったと思う」と手応えを話す。
今年は新たに、英アリソン・ジャックや米ペースなどが加わる。「前回よりも強力なギャラリーのラインアップがそろう。昨年の評価が、国際的なアートコミュニティーの中で広がったところが大きい」と自信を見せる。規模は昨年と同程度だといい、「フェアは市場とともに成長することが重要で、ただただ大きくすることが目標ではない。一番大事なのは、いかに質を担保するかだ」。
日本の強みとして、ギャラリ…