日本で14日公開の映画「ブルー きみは大丈夫」は、先に封切られた米国で大ヒットしている。描くのは、空想上の友だちを意味する「イマジナリーフレンド」。日本ではいまひとつ認知が進んでいないが、欧米では普及している概念で、過去の名作にも登場している。イマジナリーフレンドとは、いったい何?
専門家が「正しい理解が広まってほしい」と話す、イマジナリーフレンド。記事の後半では、「アンネの日記」に影響を受けた作家の小川洋子さんに、イマジナリーフレンドの物語がなぜ共感を呼ぶのか聞きました。
映画の原題は、イマジナリーフレンドの頭文字を表す「IF」。映画興行サイト「ボックス・オフィス・モジョ」によると、米国では5月の公開から1カ月で興行収入が1億ドルを超えるヒットを記録している。
子どもたちが成長するにつれ忘れられてしまったIFたちが、一人の少女に導かれて、大人になった自分の「生みの親」に再会する物語。実写にCGキャラクターを交えた作品だ。
発達心理学が専門の塚越奈美・山梨大准教授によると、IFは発達心理学の世界では「イマジナリーコンパニオン」と呼ばれることが多い。欧米で生まれた概念で、1934年に提唱された、「名前を持っていて、数カ月以上継続して、ある種のリアリティーをもって子どもが相互作用する目に見えない存在」という定義が一般的という。
実際の人間相手と同じように、自然に会話などをする。頭の中で色々な映像を思い浮かべる力、言語力、人それぞれに個性があることを理解する力がないと生み出せないことから、発達過程の現象とされる。大人が持つこともあるという。
マーニーやトトロもIF?
「ブルー」のIFは愛らしい…