ロシアの大学の日本校として唯一、文部科学省から外国大学日本校の指定を受ける「ロシア極東連邦総合大学函館校」(北海道函館市)が、来年度の学生募集を停止することを決めた。ロシアによるウクライナ侵攻で対ロ感情が悪化し、入学者数が急減したことが主な要因という。運営費の半額を函館市からの補助金に頼っており、仮に補助が打ち切られれば来年3月の閉校に追い込まれる可能性もある。
「北方領土問題などを抱える隣国ロシアとロシア人を理解できる人材育成のため、開校から30年間、市民に支えられてやってきたが、ウクライナ侵攻の影響を覆せなかった」。同校を運営する学校法人「函館国際学園」の渡辺善行理事長(75)は残念がる。
現在の学生数は計14人で、今年度の入学者はわずか3人。同校の運営費は年間約6千万円で、主な収入は学生からの授業料と函館市の補助金3千万円だが、「運営継続のために必要な学生数は33人以上」(渡辺理事長)。ウクライナ侵攻が始まった直後の2022年3月時点では学生数は26人だったが、その後、入学者が急減したという。
在校生卒業まで 補助金の増額を要望
運営法人は5月、ウクライナ…