(22日、プロ野球 福岡ソフトバンクホークス3―1千葉ロッテマリーンズ)
同点で迎えた八回2死。打席に向かうソフトバンクの周東佑京の心は決まっていた。
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「真っすぐをしっかり打つ。それだけだった」
1ボールからの2球目。狙い通りの直球が真ん中やや内寄りにきた。迷いはない。思い切りよく振り抜いた。
放物線を描いた打球は右中間テラス席へ。5月15日の楽天戦以来となる2号決勝ソロ。小久保裕紀監督が「本塁打を打つとは思わなかった。びっくりした」という選手会長の一振りが試合を決めた。
5月中旬ごろから打撃が下降線をたどった。3割あった打率は2割6分台まで落ちた。ベンチを温める日も増えた。
何とか再浮上のきっかけをつかみたい。ヒントは村松有人打撃コーチとの「会話」にあった。
話をするうちに、好調だったシーズン序盤と比べて、打席での心理に変化があったことに気付いた。「ヒットを打ちたいという気持ちが強すぎた。難しい球にまで手を出していた」。好球必打。基本に立ち返り、6月の月間打率は2割9分5厘と立て直した。
チームは2連勝で、勝ち越しを今季最多の24に伸ばした。2位日本ハムとは9・5ゲーム差。だが、周東に慢心はない。
「余裕でいるとやられる。勝てるときにしっかり勝つ。目の前の1試合を頑張るだけ」。チームは2016年、6月時点で最大11・5ゲーム差をつけていた日本ハムに大逆転された苦い経験もある。
4年ぶりのリーグ制覇へ向け、ひたすら白星を積み上げるだけだ。(鷹見正之)
柳町(ソ) 七回に同点の左犠飛。「2ストライクと追い込まれて、内心、『終わった』と。それで逆に開き直って、何とか(ボールに)当てようと思った。いい結果になってよかった」
大津(ソ) 自己最長の8回を投げ、1失点で5勝目。「5月は小差の試合で負ける試合もあった。8イニング投げて勝ちにつなげられたのは今後にプラスになると思う」