子牛が襲われた牧場の牛舎。ヒグマの侵入を防ぐため、入り口に金属製の扉が設置された=なかしゅんべつ未来牧場提供
  • 写真・図版

 北海道別海町の牧場で、ヒグマに襲われたとみられる子牛4頭が死に、4頭がけがを負った状態で見つかってから21日で1カ月となる。町は直後から箱わなを仕掛けているものの、ヒグマはつかまっていない。牧場は牛舎に金属製の扉を設置し、安全策を強化した。野生動物の調査や被害対策などを行う「合同会社ワイルドライフプロ」の葛西真輔代表(44)は、ヒグマの「スイッチ」が入らないようにすることが重要だと指摘する。

 ――別海町の牧場に現れたクマには、どのような特徴があるのか。

 ①出没が夜間だった②建物内にまで侵入した③家畜に被害が出た、という3点に注目している。

 夜間に出没したのは、人への警戒心の表れ。この個体が人を避けていることを示している。一方で、建物の中にまで入り込んだことから、「好奇心の強い個体」である可能性がある。

 この個体にとって、家畜を襲…

共有