日本原子力発電東海第二原発の敷地内にある「乾式貯蔵施設」には、使用済みの核燃料が入った金属キャスクが並ぶ。原発敷地外につくる「中間貯蔵施設」でも同様のキャスクが置かれる=2016年2月、日本原電提供
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 「それよりも、原子力発電所から出る使用済み燃料対策をどうするんだ、と怒鳴られた」

 約30年前に原発政策にかかわった通商産業省(現経済産業省)の担当課長は、当時をそう振り返る。原発立地県の知事に、原発に関する要請をしたところ、強い口調で言い返されたという。

 原発を稼働すれば、生じる使用済み核燃料。国は再処理する方針を掲げているが、国内に再処理工場はない。かねて原発敷地内で保管してきたが、いまや満杯になりつつある。行き場のない使用済み核燃料の問題は、じつは30年前から叫ばれてきた。

中間貯蔵の必要性、1998年には課題に

 1998年3月、国と電気事…

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