宮城県にある青麻山の道迷い地点。投稿者が記した矢印が正しいルートだが、気づかずに林道を進んでしまうという=ヤマップ提供
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 登山地図アプリ「YAMAP」に投稿されたデータを分析した「日本一道迷いしやすい登山道」の2024年版がまとまった。全国を8エリアに分けて分析した結果、低山や里山にも潜む道迷いのリスクが見えてきた。

 YAMAPは電波が届かない山中でもスマートフォンのGPSで現在地やルートがわかるアプリ。ダウンロードは累計440万件に及ぶ。

 運営会社ヤマップ(福岡市)は登山者からの投稿や、歩いた軌跡のビッグデータを生かし、21年から「日本一道迷いしやすい登山道」を発表してきた。遭難があった場合、早期発見のため、位置情報を警察や消防と連携することもある。23年は275件の問い合わせがあり、発見に至ったケースもあるという。

初めて全国を8エリア別に分析

 4回目の今回、初めて全国を8エリア別の「道迷いしやすい登山道」のある山を3地点ずつ計24地点を選んだ。「迷いやすい」のタグがついたコメントや「参考になった」という評価数、歩いた軌跡データ、累計3千万件の登山日記をもとに分析した。地域別に分けたのは、遭難リスクは標高の高い山だけの問題ではなく、身近な山に登る際も注意を払う必要があるためだ。

 24地点には、富山・岐阜県境にそびえる標高2840メートルの黒部五郎岳といった北アルプスの山もあったが、関東エリアは東京都の鷹ノ巣山(標高1737メートル)、中国・四国は広島県の宮島・弥山(みせん、535メートル)、九州・沖縄は福岡・佐賀県の金山(967メートル)などが並ぶ。14地点は標高1千メートル以下だった。ヤマップ広報担当の上間秀美さんは「地元の低山や里山でも、道迷いによる遭難が身近に起きる可能性がある」と指摘する。

「ピンクのテープを見失わないように!」

 警察庁によると、23年の全…

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