レコードやカセットテープの形をしたキーホルダーに、お気に入りの曲を入れて持ち歩く――。そんな「ミュージックキーホルダー」が中高生を中心に支持されている。スマホで簡単に音楽が聞ける時代に、なぜキーホルダーなのか。
横浜市港南区の7畳ほどのオフィスでひざを突き合わせているのは、合同会社「SHIDOMODO」の共同代表、山本歩さん(24)と蛭田俊輔さん(23)。昨年3月に立ち上げたばかりの会社だ。
部屋の隅には、レコードやカセットのほか、MD、CDの形のカラフルなキーホルダーが並ぶ。このキーホルダーをスマホにかざすと音楽配信サービスのアプリで曲が流れ始めた。
キーホルダーには好きな曲を登録できる。「Apple Music」や「Spotify」などの音楽配信アプリから、好きな曲のURLを取得。専用アプリに貼り付け、キーホルダーを近づけてインストールする。たったこれだけだ。
コロナ禍で暇になって「何かやろう」
2人は港南区出身で、家が近所の幼なじみ。大学に入学して約1年経ったころ、コロナ禍に直面した。授業はオンラインになり、公園でサッカーをして暇をつぶすようになった。
「時間が有り余っているなら…