運休が続くJR美祢線(厚狭―長門市)をめぐって単独での復旧や運行は困難とJR西日本が表明したことを受け、山口県の村岡嗣政知事は11日の会見で「我々としては復旧を求めていくスタンスは従来から変わっていない」と述べた。
JR西の広岡研二・広島支社長は5月にあった美祢線利用促進協議会の総会で「鉄道での復旧には相当な費用を要し、当社単独の復旧は難しい」と述べ、美祢線の持続可能性を議論する部会を協議会に設置し、おおむね1年以内に方針を決めるよう要請した。
村岡知事はこれに対して、「事業者の方で速やかな復旧をすることが原則と思っており、そのことを強く訴えてきた」と従来の主張を強調し、「たまたま被災したところが割を食うというか、非常に不利な状況の中で、JRの見直しの中に引きずり込まれていくのは本来の在り方ではない」と反発した。
JR西が要請した部会での協議について、「(復旧にかかる費用などの)情報がまったくない状況。それがなければ議論がスタートしない」として、復旧工事に要する費用や期間を示すよう求めた。(山野拓郎)