管理栄養士で、防災士でもある徳島県美馬市の一井郁子さん(42)は、「徳島アレルギーっこの会」代表として、食物アレルギーという視点から災害時の「食」の大切さを訴えている。
――防災×アレルギーをテーマにされています
小学生の息子2人に卵と乳のアレルギーがあります。同じように食物アレルギーがある子のいる美馬市の4世帯で、悩みを共有し、情報交換をする場として2020年に「徳島みまアレルギーっこの会」を設けました。現在は名前から「みま」を抜き、県内の19人とつながっています。
立ち上げの直後、大阪にある「LFA食物アレルギーと共に生きる会」のオンライン講座に参加。災害時にはアレルギーのある人を含む要配慮者の食事や衛生面の支援が重要になることや、日頃から幅広い方に症状や緊急時対応を知っていてもらわないと助かる命も助からないことを強く認識させられました。
代表の大森真友子さんの「いざというとき、アレルギーのある人を助けることができるのは“知識のある大人”です」という言葉が印象に残っています。
その後、会として地元の図書館や銀行、各種イベントで、症状やメカニズムを知らせるパネル展をしてきました。
動画配信サイトに啓発動画もアップしていますし、私自身、防災士ですので、仲間の研修会で講師を務めたこともあります。「その視点はもっていなかった。勉強になった」と言ってくれました。
――災害時の避難生活で心配なこととは
物流が止まるとアレルギー対応の食品が手に入りにくくなります。
避難所の配給のパンには小麦…