NMB48のレッツ・スタディー! 田中美空のジブリ夜話①

「魔女の宅急便」主人公のキキに扮した田中美空さん=田中さん提供

 大阪・難波を拠点とするアイドルグループNMB48メンバーの田中美空さん(19)=京都府出身=は、スタジオジブリの歴代アニメーション作品の魅力にとりつかれたジブリ好きアイドルとして知られる。

 ジブリ作品の世界観を表現した「ジブリパーク」(愛知県長久手市)を紹介するテレビ番組でリポーターを務めたことも。

 アイドル活動を始めてから、よりジブリの作品世界を深く理解できるようになったという田中さん。これからジブリ作品に触れたいと思っているビギナー向けに、好きな作品を順次、田中さんなりの視点で紹介してもらう。「NMB48のレッツ・スタディー!」番外編コラム「田中美空のジブリ夜話」その1をお届けする。

 記事後半で、田中美空さんのサイン色紙が抽選で当たる読者プレゼント企画の案内を掲載しています。

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まずは…「魔女の宅急便」について、語ります!

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愛知県のジブリパークを訪れた田中美空さん=田中さんのX(旧ツイッター)から

 たなか・みそら 2004年、京都府生まれ。愛称みそら。2023年1月から活動を始めたNMB48の「9期生」。趣味はスタジオジブリの映画作品を鑑賞すること、知育菓子づくりなど。夢は「絶対的センター」。

 NMB48の田中美空です。

 物心つく前から、家のテレビではスタジオジブリの作品が流れていました。

 今でもお休みの日は、大好きなお菓子を片手にゆっくり作品を鑑賞する「ノージブリ ・ノーライフ」なジブリ大好き現役アイドルです。

 ジブリ作品は「金曜ロードショー」(日本テレビ系列)でも定期的に放映されているので、みなさん、一度は目にしたことあるんじゃないかな~……と思いますが、逆に身近な存在すぎて 「ちゃんとみたことないかも!」って方もいるんですよね。私の友達がそうでした。

 「えぇ?! あんた本気で言ってる?! 今すぐ観(み)な! 人生変わるよ?!!」と、がらにもなく強気な返事をしてしまったのを今でも覚えています(笑)。

 そんな、「まだ観たことないよ」って方にも魅力を伝えるべく! 観たことある方には読んだあとにもう一度観たい!と思ってもらうべく!

 私なりに スタジオジブリ作品を紹介できたらなと思います。

 かたく考えすぎずに、ありのままの私で書いていくので、読んでくださるあなたも、肩の力を抜いてリラックスして読んでくださいね!

 今回紹介するのは「魔女の宅急便」(原作=角野栄子さん、プロデューサー・監督・脚本=宮崎駿さん、1989年)です。

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「魔女の宅急便」(1989年)の1シーン。スタジオジブリ公式サイトより (C)1989 Eiko Kadono/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, N

 実は、私がジブリ作品の中で一番好きなのが、この「魔女の宅急便」なんです。

 主人公キキは、魔女の母と、人間の父をもつ女の子。隣にいるのは相棒の黒猫ジジ。

 「13歳の満月の夜」に親元を離れ、魔女のいない街で1年間修行をするというしきたりがあり、物語はまさにその旅立ちの日から始まります。映画では、キキが様々な出会いや挫折を経験しながら、魔女として少しずつ成長していく姿が描かれるわけですが――。

最近気付いた! 目の中の光が…増えている?

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「魔女の宅急便」(1989年)の1シーン。スタジオジブリ公式サイトより (C)1989 Eiko Kadono/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, N

 さっそくみなさんに言いたいポイントが!

 物語の始まり。ぼーっと聴いているラジオから「今夕は晴れ、素晴らしい満月の夜になるでしょう」という声が流れてきます。

 その声を聴きながら、ゆっくり目を閉じたキキが次に目を開けたとき、目に宿る光が二つに増えているんです…!! さっきまでは一つだったのに。

 これは私、最近気付いてびっくりしたんです。いつ旅立つかずっと悩んでいたキキが ついに決心した瞬間の、未来への希望やワクワク。ちょっぴりの不安。色んな感情が、このシーン、目のハイライトに詰まっているんじゃないかなって私は受け取りました。

 「NMB48のオーディション受けるから!!」と親に話したとき、私も同じく目にたくさんの光が宿ってたんじゃないかな~、なんて思います。

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2023年1月1日、NMB48の9期生として初舞台を踏んだ田中美空さん。自己紹介で「魔女の宅急便」のワンシーンを再現する一芸を披露した (C)NMB48

 緊張と不安で声は震えたけど、「もし不合格だったら……。あかんかったらどうしよう……」という考えは不思議とわいてこなくて。これから始まる自分の新しい挑戦に、ワクワクで胸がいっぱいでした。

 いつだって目は未来を見ていますから!!

 こういう細かな表現こそ、ジブリ作品が人の心を動かす理由なんですね。

「もっと慎重に」と黒猫ジジ 我が家の愛猫なら何ていう?

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「魔女の宅急便」(1989年)の1シーン。スタジオジブリ公式サイトより (C)1989 Eiko Kadono/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, N

 「今夜出発する! あとひと月待って素敵なボーイフレンドが現れたらどうするの?!」と、もう決心を曲げる気のない元気いっぱいなキキと「(決断は)もっと慎重に、厳かにするべきだよ!」と言う不安そうな黒猫ジジ。

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田中美空さんと愛猫「むぎ」=田中さん提供

 猫ってなんだか、かわいらしくてのほほんと気ままにしているイメージがあったのですが、この作品に登場するジジはいつも冷静で賢くて、キキよりもずいぶん大人っぽいことを言うんですよね。そんなジジの存在があるからこそ、まだ子どもらしくて自分の感情にまっすぐなキキがとってもいとおしくなってしまいます。

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田中美空さんと愛猫「もち」=田中さん提供

 実は私もおうちに猫ちゃんが2匹いるのですが。もしうちの子たちが言葉をはなせる相棒だったとしても、ジジみたいに同じ立場になって考えてくれるというよりは、「みそらが決めたならいいんじゃな~い?」と窓の外でも見ながら言いそうな気がします(笑)。

 =②に続く

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