江戸時代に約10カ月だけ活躍した「幻の浮世絵師」の東洲斎写楽。
謎は多いが、NPO法人写楽の会(徳島市)の調査で、徳島藩お抱えで江戸在住の能役者・斎藤十郎兵衛とする説が有力だ。
2021年から3代目会長を務める田村耕一さん(73)に写楽の魅力を聞いた。
――徳島ゆかりの写楽とは
1794(寛政6)年から95年にかけ、江戸歌舞伎に出ている役者のインパクトが強い似顔絵「大首絵」など140種余りと少数の相撲絵を残しました。
きれいに描くことよりも役者の個性を最大限引き出し、鋭いタッチで本質を追求しているところが面白い。
その後、こつぜんと表舞台から姿を消し、一つの枠に収まらない独創的でミステリアスな浮世絵師です。
1820(文政3)年に58歳で亡くなったとされています。海外での評価も高いです。
――実在した人物だと明らかにしました
1995年に愛好家や歴史研…