蒸気機関車(SL)が引く列車が旧国鉄から消えて、まもなく50年になる。
そんな中、問題になっているのが、引退後に街角の公園などで保存されたSLの老朽化だ。
撤去されるケースもあるが、徳島県鳴門市では、地域住民が鉄道ファンと連携し、修復に成功した。
渦潮で名高い鳴門海峡から約8キロ。今年3月、JR鳴門駅からほど近い公園に置かれていた蒸気機関車「C11 66」が美しく塗り直され、夜は5月上旬までライトアップも行われた。
このSLは1970年に一線を退く直前まで、鳴門線を走っていた。子ども会が市長に保存を求める手紙を出したことを契機に、市が旧国鉄から貸与を受け、公園で「静態保存」してきた。
それから半世紀余り。SLを雨風から守るために市がつけた屋根は、老朽化し、撤去された。さびだらけになったSLの姿が公園を訪れる人たちの目に入るようになった。
「何とかしたい」と立ち上がったのは、公園で花作りをしてきた住民らだ。
鉄道ファンが助言
昨年8月、「鳴門市の蒸気機関車C1166を守る会」を作って活動を始めた。
会長の三原聖二さん(71)…