「抽象表現を極限まで追求した」「色と形の探求」。今月4日に87歳で死去した米国の美術家フランク・ステラさんの訃報(ふほう)を、米メディアはこう報じた。日本とも縁の深い美術家が残したものは何だったのか。
1950年代後半、黒いストライプの「ブラック・ペインティング」が、要素をそぎ落としたミニマルアートとして評価された。その後、三角形や分度器形の変形キャンバスに鮮やかな色を載せた「シェイプト・キャンバス」の作品を手掛け、さらにアルミなどの部材が壁から飛び出す「レリーフ・ペインティング」を制作するなど、変化の激しさで知られた。
千葉県佐倉市のDIC川村記念美術館には各時期の作品群があり、北九州市の工場で鉄の彫刻を公開制作したことも。同市での講演では抽象作品で「マネのタッチと同じような成果が得られるよう努力した」などと研究者のように語っていた。
同館元学芸員でキュレーター…