テラカドコーヒー岡崎ニューヨーク店のオーナーの照井彬等さん=2024年5月17日、愛知県岡崎市康生通東2丁目、前川浩之撮影
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 愛知にもかつて「アメリカ村」があった。岡崎市中心部にあった商業施設「メルサ岡崎店」内の人気スポットだった。「アメ村」があったころのにぎわいを取り戻そうとしているコーヒー店主がいる。

 「放課後はアメリカ村に行って遊ぶのがステータスだった」。テラカドコーヒー岡崎ニューヨーク店のオーナー照井彬等(あきら)さん(46)は、10代のころの市中心部の雰囲気を懐かしむ。

 市中心部の「康生町」の目抜き通りに面する照井さんの店の中には「OKAZAKI,NY(ニューヨーク州岡崎市)」と書かれた看板を掲げている。

 この近くにアメリカ村があったことにちなんで「ニューヨーク店」と名乗っている。

 「なんか面白いでしょ?」。そう笑う照井さんによると、現在の市立中央図書館の南東にあったメルサ岡崎店内に、衣料品店や雑貨店が集まった「アメリカ村」があった。その一角は、衣類や雑貨が高く積まれ、ファッションに関心のある若者が多く集まったという。

愛知の「アメ村」 誕生の経緯は?

 市の資料によると、市立中央図書館の南東のエリアでは裁判所跡地が再開発され、1973年に西三河総合ビルが完成。その一部フロアで、メルサ岡崎店が営業を開始した。

 現在は高層マンションになっているが、「岡崎市史 現代5」(1985年)によると、付近は当時、商業の中心地だった。

 メルサの運営母体だった名古…

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