列車が終点へと向かう最後の右カーブを曲がりきったとき、夕日が照らす波しぶきと青空が、車窓いっぱいに飛び込んできた。

 到着したのは「関東の駅百選」にも選ばれたJR鶴見線の海芝浦駅(横浜市鶴見区)。ホームの目の前に、京浜運河の絶景が広がっている。

JR鶴見線の海芝浦駅のホームからは夕焼けに染まる空が見える=2024年5月10日午後6時31分、横浜市鶴見区、西岡臣撮影

【撮影ワンポイント】JR海芝浦駅

列車は20~30分に1本程度で、ホームに停車している時間は5分ほど。焦る気持ちを抑え、すぐ脇の運河に物を落とさないよう、注意深く動いた。夕焼けに染まった空と、列車、そして運河の最適なバランスを探った。焦点距離は24ミリから100ミリまで試したが、空が広すぎたり、電柱が目立ちすぎたり。試行錯誤の結果、35ミリで落ち着いた。(西岡臣)

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 東芝の事業所構内にある無人駅で、平日の昼間に運行する列車は1時間に1本ほど。改札は工場の入り口に直結しており、一般の乗客は出られない。

 事業所を管理する東芝エネルギーシステムズによると、約1700人の従業員のうち約900人がこの駅を利用して通勤しているという。

 従業員以外にも「海の見える…

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