国から自治体への「指示権」とは?

 国の自治体に対する「指示権」を拡大する地方自治法改正案が14日、衆院総務委員会で実質審議入りした。大災害や感染症などの事態に国の責任で対応する体制を整えると政府側は説明するが、野党は「地方分権への逆行」と批判している。そもそも「指示権」とは何なのか、解説する。

 Q 指示権とは?

 A 国が地方自治体に対して対応を指示できる強い権限だ。地方自治法では、国の自治体への関わり方がいくつか定められている。自治体の事務について「こうした方が良いのでは」と提案する「助言・勧告」や、情報提供を求める「資料提出の要求」といった関わり方があるが、いずれも法的拘束力はなく、自治体は従わなくても構わない。一方、「指示」には法的拘束力があり、自治体が従わなければ「違法行為」と判断される可能性がある。現行制度では、自治体に具体的な対応を指示する規定は、災害対策基本法や感染症法など個別の法律で定められている。

 Q 現行法では、どんな時に指示を出すことが想定されているのか。

 A 被害が広い地域に及ぶ大…

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