長時間労働を背景とする公立学校教員のなり手減少を受け、人材確保策を検討してきた文部科学相の諮問機関、中央教育審議会の特別部会は13日、具体案を盛り込んだ「審議まとめ」を了承した。残業代を出さない代わりに上乗せ支給している「教職調整額」を現在の「基本給の4%」から「10%以上」に増やすことが柱。増額には教員給与特措法(給特法)の改正が必要で、文科省は来年の通常国会に法案を提出したい考えだ。

 文科省は昨年5月、教員のなり手を増やすための処遇改善策などについて中教審に諮問。翌6月から特別部会で議論が続いてきた。給特法については、残業代を支給する制度にすることで、残業代抑制のために管理職や教育委員会が業務量を削減するようになるとの期待から、現場の教員の間で抜本改正を求める声も多かった。だが、特別部会の議論はこの日で区切りを迎え、残業代が出ない現行制度の骨格の維持が決定的になった。

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