全線4車線化を目指し、徳島自動車道で本格化している工事の陣頭指揮を取るのは、西日本高速道路(NEXCO西日本)徳島工事事務所長の長谷川知美さん(51)だ。同社で初めての女性工事事務所長として社員ら約70人を率いて2年近く。どのような思いで工事を進めているのか、聞いた。
――なぜ日本道路公団に入ったのですか
神戸のベッドタウンの出身で、幼い頃から建物が建てられる様子を見て、建築がおもしろそう、と思いました。高校は女子校で、行事や力仕事など全部自分たちでやり、女性だからできないことはない、とわかりました。広島大工学部に進み、土木を学びました。卒業の際、室内でこつこつ研究するのは向いていないと思い、現場で仕事がしたいという希望を指導教官に伝えたら、道路公団を勧められました。
――現場にこだわったわけは
モノが目の前で出来ていくのは楽しそうだと思ったためです。実際は現場も一つ一つの積み上げですし、全体をマネジメントする発注者の仕事は、またニュアンスが違ったのですが。それでも、土木工事の規模の大きさには圧倒されますし、それに自分が携われていることにワクワクします。
同期の女子は100人中5人
――男ばかりの職場で戸惑いはありましたか
同期の大学・大学院卒約10…