中山准教授と「コデランガイド」。装丁は白衣がモチーフになっている=2024年4月24日午後5時29分、名古屋市昭和区、渡辺杏果撮影
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 136ページにも及ぶ「名古屋めし」を中心とした冊子を作ったのは、名古屋大学消化器・腫瘍(しゅよう)外科の医師たちだった。愛知県常滑市で開催される学会を前に、メスをペンに持ち替えて地元の魅力を一冊に詰め込んだのは、名古屋ならではのワケがあった。

 「名古屋って、あまり人気ないんですよね。『まあ名古屋か』って感じで」

 担当した一人、名古屋大大学院消化器外科学の中山吾郎准教授(57)は、そう語る。

 「名古屋飛ばし」。その昔、海外の大物アーティストが名古屋でコンサートを開かなかったことなどから、首都圏や関西圏などでイベントが開催されても名古屋周辺が「スルーされる」ことを自嘲気味にそう言うようになった。

 中山准教授は名古屋生まれで、関西などで育った。医師になってから名古屋に戻ったため、「純粋な名古屋人ではない」というが、家のみそ汁はずっと赤みそで名古屋への思い入れは深い。「名古屋を見直してほしい」との気持ちがあった。

ウナギ下ごしらえ=術前管理 垣間見える職業柄

 医学の成果を発表する学会が、4月に控えていた。オンライン配信も用意するが、できれば来場してもらいたい――。足を運ぶきっかけにしてほしいと、グルメ本作りの計画が持ち上がった。昨年の来場者は、およそ6千人。そこで今年の学会3日間の来場目標を累計1万人に定めた。

 取材は昨年12月末から始ま…

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