
神奈川県藤沢市の60席ほどのレストランを会場に、市民が手作りで始めた「鵠沼サロンコンサート」が35周年を迎える。業界で「鵠沼方式」と呼ばれる秘策で、クラシックファンをうならせる音楽家を招請し、異例の長寿コンサートとなっている。
主催するのは、元教諭や調律師、会社員らの愛好家でつくる「鵠沼室内楽愛好会」。アーティストのアポ入れから広報、会場設営まで手弁当で担う。1990年にレストランの定休日を利用して始まり、現在は会員らに年8回のプログラムを提供している。
驚くのが出演者の顔ぶれだ。スイスの世界的ソプラノ歌手の故エディット・マティスさん、ポーランドのピアニストの故ハリーナ・チェルニー・ステファンスカさんら、来日すれば大きなホールが満員になる大物が、小さな会場に幾度も足を運んできた。
「火曜開催」の妙
理由の一つは原則「火曜」と…