
昨年12月の週末、都内で開かれたある車いすの参院議員の国政報告会を訪ねた。四肢のまひや発話障害などがあり、介助者を通じて国会質疑を行う、れいわ新選組の天畠大輔氏だ。
14歳のとき、医療ミスにより重い障害を負った天畠氏は、独自に編み出した「あかさたな話法」という方法で他者とコミュニケーションをとる。介助者が腕や肩に触れながら「あ、か、さ、た、な…」と五十音を読み上げ、天畠氏の体の反応から、一文字ずつ読み取って文章を作る。
2022年に初当選し、「あかさたな話法」と事前に用意した原稿の代読を組み合わせて、国会での質疑に臨んできた。私は野党担当だった一昨年、天畠氏を取材し、「あかさたな話法 時間を止める『当事者』の挑戦」という記事を書いた。
仕事柄、いろいろな国会議員の国政報告会を見てきたが、天畠氏の場合はさまざまな工夫をこらしていることに気づく。車いすで、介助者と一緒に参加する人が多い。私が案内されたテーブルも、4人のうち2人が車いすを利用する人だった。出席者の発言は文字通訳者がリアルタイムで文字に起こし、モニターに映し出す。
会の途中には、障害がある人も飲み込みやすいように調理されたインクルーシブフードをみんなで試食した。天畠氏は、仕事の時間に重度訪問介護のヘルパー派遣制度が使えないと定める厚生労働省の告示の廃止が「私の政策の一丁目一番地です」と力を込めた。
ユニークだったのは、国政報…